ベイブレードが変えた日本の競技玩具事情

ベイブレードは言わずとしれた「ぶつかり型」の競技玩具。ルール的には相撲と同じですね。このベイブレードが流行する前と後で競技玩具界全体が変化したと考えるせとのです。

ベイブレードが流行る前っていったらメジャーな競技玩具は、ミニ四駆、ハイパーヨーヨー、ビーダマンとか。まぁその他にはぶつかり型の玩具も多数合ったと思いますが、特に目立った競技玩具はこの3つだと思います。ミニ四駆はレース系、ヨーヨーは達成系、ビーダマンはシューティング。それぞれに役割があるというか、まぁ目的はバラバラでそれぞれ違った楽しみ方ができると言うかそんな感じです。それで、ベイブレードが流行った後ですが、ベイブレードクラスの流行を生んだクラッシュギアが出ましたし、バングやビーストシューター、バシュット、バトルダーツ、にいたるまでぶつかり型ばかりがでるようになってますよね。また競技玩具老舗のミニ四駆はダンガンレーサーに姿を変えファイティングレースなぞを繰り広げているわけです。

この理由の一つとして、遊びの省スペース化によるお手軽性が考えられます。単純なレース系とかは白熱したバトルと言うかレースをするにはかなり広大なコースが必要だと思いますし、あとコースは買うと高いですよね。ヨーヨーも比較的広いスペースが必要ですし、ビーダマは散らばります。けどベイブレードは1000円もしない1mもないスタジアムにコマが2個さえあれば簡単に白熱バトルが楽しめるわけで。ぶつかり系はそりゃ迫力あるバトルが売りなわけですが、このお手軽性が消費者が魅力的に思う要素の一つに思われるんですね。ダンガンレーサーもファイティングレースならオーバルなコースで十分なわけでほら省スペース化してますよね。このお手軽性を完璧にするには電池不要が一つのカギになると思うんですが、これに関しては電池使用はお父さんが燃えると言うお決まりがあるので見逃される傾向ですね。これらの省スペースとお手軽という要素が現在の忙しい小学生と狭い住宅事情にベストマッチなんでしょう。

もう一つの理由は「やるかやられるか」すなわち勝負決着の明確化でしょう。相撲のルールは簡単。土俵の外に出されるか足の裏以外が土俵に付くかです。このわかりやすいルールが、複雑な状況におかれる現代っ子を癒すのかもしれません。この決着の明確化に惹かれて今までの方針を大きく変えたのがもう一つの老舗競技玩具ビーダマンです。それまでの各人が遊び方を見出すようなものとは違い、より対戦競技を重視し、アタックポイントなぞという勝敗判定装置を各機体に取り付けるという状況にかわっています。このように遊び方をメーカー側が明確に表すのは、先にも言った忙しい小学生にとって優しい心くばりのようにも思えますが、子供たちの遊びを見つけ出す力を摘んでいるようで心配なせとのです。プログラムである程度の制限がかけられているTVゲームとは違い、自由度の高い実物である玩具ではなおさらのことかと。

ぐだぐだ言いましたが、一番言いたいのは競技玩具の勝負方式が画一化されることで、みんなが似たり寄ったりだけはしないでほしいわけです。こんな傾向に進んでいる競技玩具において、メーカーさんがどれだけ個性を出せるかにかかっています。

2003/06/01

2012/06/18 再掲載

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