せとの流自作パーツの作り方

2005年に再掲載した時にすごく古くてワードで書いてたとか言ってたのでホントにマジで古い記事です。
多分2002年くらいかなぁ。やっぱり書き方がちょっと幼いと言うか恥ずかしい・・・
それでもプロになった今でも、まぁ、こんなもんかなと思える内容なのでそのまま再々掲載。

バトビーがゼロになるなんて夢にも思わなかった頃に作った昔のコンテンツを掘り起こしました。ていうかエディエタがWardの頃だし古。
内容は、流石にヤバイなと思ったとこ意外は大体原文のまんまです。まぁだいぶ昔の考えなので今とは違うところも多々ありますが、大体こういう方針でやってることに変わりないです。
2005/02/02


ある機能を備えた部品がほしいと思っても、その部品が近場に売ってなかったり、また今までに企業によって開発されたことが無いなどで、その機能を備えた部品の入手が無理な場合、その部品を自ら作り出すという手段があります。,br> しかし新しいものを作り出すというのはある程度の知識と経験が必要で、自主開発をやったことの無い人にとっては容易なことではありません。
そこでここでは、せとの流のもの作りの手順を少しずつ解説していきます。後半ではせとのが今までに開発したものを例として紹介したいと思います。
ただし、この製作手順や製作法はせとのが独自に行っているもので、産業界で行われているものとは多少異なります。またこの方法で製作している途中に起こった事故、完成したものを使っている際に起こった事故などに関しては、競技玩具研究所側では一切責任を負いません。安全なもの作りを心がけてください。それでは本編スタート
まず、あたりまえのことですが、製品の開発は、大きく見ると次の順序で行われます。
1、企画・・・どのようなものが作りたいかを考えそのものの構造をおおざっぱに考える。
2、設計・・・企画したものに基づき、製品の各所の具体的な寸法や、制作方法、使用材料なども考え図に記す。
3、製作・・・設計に基づいて、実際に材料を加工していく。


それではそれぞれ細かく見ていきましょう。

1の企画段階では特に決まった方法、手順はありません。とにかく、自分がこれから作ろうとしているもののイメージを膨らませてください。絵を描くなり、文章で書くなり、自由にやってください。慣れてくれば特に意識することなくこの段階を終えることが出来ます。

2の設計は企画とは違いある程度の決まりと手順があります。それぞれ順に示します。
2−1、情報の収集・・・・・・作るものが何かの部品である場合、その何かの形、つまり各所の寸法を詳しく調べておく必要があります。また、一部既存の製品を使う場合にも、例えばネジやバネ、歯車、ベアリングなどは、設計の前に自分が入手できるもののサイズを詳しく知っている必要があります。
2−2、素材、製作法の決定・・情報収集が終ったら、次は素材と製作法を決定します。入手しやすい素材と一般家庭で行える製作法との種類と特徴を以下の表にまとめておきます。
素材特徴
アクリル樹脂やや高価。頑丈だが割れやすい。専用接着剤による接着でかなりの信頼度。
スチロール樹脂軽量で安価。発泡しているものはもろい。一般的なプラモデルの材料。
ABS樹脂スチロール樹脂より高強度。一般的な玩具や家電製品はもっぱらこれを使ってる。
FRP高価だが、軽量かつ頑丈。切削が困難。

製作方法特徴
削りだし法ひとつの塊を少しずつ削っていき整形する。技術と根気あるいは、設備が必要。
箱組み法単純な形状の部品を接着していく方法。材料や接着剤の選択、使う道具によってはかなり容易に行える。ただし綿密な設計が必要。
鋳造法溶かした材料を型に入れて成型する。大量生産が可能だが、あらかじめ削り出し法で型を作っておく必要があるうえ、設計も綿密にする必要がある。

2−3、設計・・・・・・・・・今までのことをよく考慮して製図します。強度や組み立て方にも十分に注意を払ってください。


3の製作では設計した事項に基づき可能な限り正確に行います。工具や薬品での事故に注意してください。





それでは以前せとの製作した「バトルビーダマン用イクスプロ−ジョントリガーシステム〜イクスプロジェクト試作2号機〜」を例に手順を解説していきます。
まず1の企画ですが、試作2号機自体は試作1号機を製作しての反省点を元に企画されました。1号機での反省点は次のとおりです。
1、衝撃が強く壊れやすい


2、トリガー全体が長すぎて使いにくい


以上のような反省から次のような構造のものを計画しました。

これ自体は1号機製作直後、E-unit中盤あたりに描きました。
バトビ用イクスと書いているのは、今回これをバトビ用にしようとあとで書き足したので


上のをE-unit用に描いてみました。こんなふうに具体的に描いてみるとイメージが膨らみ、かつ固まります。
ちなみに、これも結構前に描いてたんで、日頃からこういうのを書き溜めとくってのもいいです。



つぎに2−1の情報の収集ですが、まずバトビ用パーツなので、バトビコアパーツのトリガー接続部の形状の寸法および発射に必要なアウトストローク幅を測ります。
・・・っていてるそばから寸法入れてた紙が紛失しました(T_T) ま、この辺のデータ類はまたいずれアップしたいと思います。
また、今回はトリガーボディ用にRリベット、アウトトリガー用にビスロックセット(ビス、ワッシャー、ロックナット)、あと、バネをいくらか使います。実際、必要な基本部品を決定するのは設計と同時進行といいますか、そういった感じで進めます。バネやビスは最初の設計でとりあえず自分の都合のいいのを描いておいて、それに一番近いものを購入し、それにあわせて設計を調整していくような感じです。



次は2−2の素材と製作法の決定です。素材はREXシステムの頃から使い慣れているアクリルを使用。また、トリガーなどのパーツは箱組み法が一番いい製作方法だと思います。



そして2−3の設計図を描くです。さっきも言いましたが設計自体は情報収集などをしながら何度も描き直すのが普通です。
製図の方法はJIS(日本工業規格)にのっとったほうがいいと思います。ま、自作なんですから自分でわかれば何でもいいですよ(^^)
JISについては図書館などで調べてください、書いてると激しく長くなります。またいつか別記事としてかいつまんで載せるかもしれませんが。
描くときはアクリル板2ミリ厚を使う予定でやってますんでその厚み、使用する基本要素部品、強度、さらに自分の技量をしっかり見越して必ず作れるように設計してください。
設計図にもいくらか種類があって、今回は構造図→組立図→切出図の順で描きました。他にも部品図やらなんやらたくさんありますが、このあたりは何度もやってみて自分に一番良い方法を見つけてください。



構造図です。これ自体5回ほど書き直しました。寸法は製作時に必要な部分だけを書き入れるようにしています。


組み立て図です。こんなふうにプラモの説明書のように、雑でもいいので描いておくとイメージがはっきりし、またパーツひとつひとつに名前を付けておくことで製作時のミスも減らせます。
実際せとのは構造図よりこっちのほうに力をいれてたりします。


切出し図です。上の二つの図を元に実際に切り出す形を描いていきます。ここでの配列をうまく考えると材料を最小限で済ますことができますし。実際の大きさで表記することで必要な材料のおおよその量もわかります。



そしていよいよ製作です!まず必要な道具をそろえましょう。今回のようなアクリル板からパーツを切出して接着剤で接着していく接着法では以下のような材料と道具が必要です。
絶対必要なもの:
2ミリ厚アクリル板20cmx30cmくらいの500円前後
アクリル用接着剤アクリル板のすぐ側にあるはず500円前後
プラカッター板を切るのに使います。使い方は商品をごらんください。300円前後
紙やすり200番くらいがいいでしょう。切断面をきれいにします。100円前後
ピンバイス穴あけに必要1000〜2000円程度
テープマスキングテープとかでOK。接着時の仮止め用100円前後
その他基本部品バネとかビスとか、プラ丸棒、角棒etc.ぜんぜん安いです。でもアクリルの棒類は300円くらいしたんで、模型屋さんとかで売ってるタミヤ製のスチロール樹脂のがいいです。
あると便利
カッターナイフ細工用とかのほうがいいです。100円〜
ヤスリ何かと便利、樹脂用のにしてください300円前後
リューターせとのが使ってますがかなり便利です、ピンバイスの代わりにもなりますし、多少の切削加工も出来ます。ビットの種類も豊富で、いろいろ出来ます。2000円〜
電動糸鋸、歯細かめこいつがあれば製作時間自体を10分の1程度にまで縮められるかもしれません。なんせプラカッターでやってたら板から切り出すだけでなれてても5〜6時間はかかっちゃいますから。数万円〜
プラリペア商標名で失礼。混合系パテなんですがこいつの接着力はすごすぎます。用途もアクリルからABS、スチロール、硬質塩ビ・・・何でもこいです。特にパーツどおしを接着したいときなんかは最高にいいです。粉末剤50g、溶液50gその他注射器、スポイト、などセットで5000円。小分けもしていたようでしたが。
保護めがね&マスク粉塵が多いですし、接着剤は揮発性が高く吸いすぎるとやばいです。電動工具を使うときは破片が顔面めがけて飛んできます。いくらくらいでしょ?1000円くらいかな?



材料と道具がそろったところで製作開始です。まず切り出し図どおりにアクリル板を切ってください。ただし、切りしろを入れる事を忘れずに。
そして組立図どおりに接着していきます。やり方は接着剤の説明をごらんください。
あと、普通のプラモのように組み立てながら必要な部品を切り出して行くっていう方法もあります。どちらでもやりやすいほうをどうぞ。



以上のような過程でせとのは自作パーツを作っています。参考になりましたでしょうか?

初出しは多分2002年くらい

2005/02/02再掲載


って完成写真載せてないのは不親切極まりないですね。どんだけいい加減なんだよ大学1年時代。

2012/06/18再々掲載


inserted by FC2 system