競技玩具研究所

■平成の最後に


競技玩具は平成に生まれ平成に育った概念だと思います。

私は便宜上、競技玩具ジャンルの幕開けは「フルカウルミニ四駆」が登場した平成6年(1994年)頃としています。これは、商品展開、イベントの運営、メディアミックス等において、この成功例が以降の男児ホビーのお手本とされているからです。もちろんこの区切りはあくまで便宜上であり、諸兄がご存じのようにそれ以前にも競技玩具概念に当てはまるホビーは存在しますし、ミニ四駆もフルカウル以前にブームを経験しています。とは言え、奇しくも「ダッシュ四駆朗」のアニメが放映されたのが平成元年(1989年)と言うのも、やはり競技玩具と平成の関係を象徴しているようです。

そして平成11年(1999年)に登場した「ベイブレード」によって競技玩具が1つ革新します。「バトルホビー革命」は言わずもがなですが、もう1つ大きいのが、一般的な「公的な切削改造の禁止」です。時代の変化から玩具における安全性の重視は最重要要素となりました。初代ベイブレードは1シリーズの中でその革新が成された象徴的玩具でもあります。また、この頃からグローバル展開についても重視されるようになりました。世界を巻き込み、数年で売上億個単位を目指すジャンルになります。

もう1つの革新は平成18年(2006年)「爆丸」の登場と言えます。当時台頭し、現在も男児ホビーの雄と言えるカードゲームを取り入れ、それでいておはじき的な物理要素が主要素になります。物理要素(ハード)とテキスト要素(ソフト)、複数の機体を使うデッキ概念やターン性等、競技玩具の可能性を大きく広げたと言えます。

そして今、平成が終わり令和を迎えようとする中で競技玩具はいくつかの難題に直面しています。1つは、ミニ四駆3次ブームやベイブレード懐古展開で如実になってきた男児ホビーの大人ホビー化。少子高齢化の中でそのあり方を模索しているようです。大人が楽しむことは大歓迎ですが、大人が中心になってしまうと、「子供の成長を促す」と言う競技玩具本来の趣旨を見失ってしまいます。もう1つは、メーカーがヒットノウハウを蓄積させたことによるコンテンツの淘汰、つまり完全新規競技玩具のヒットが皆無になる問題。復活競技玩具がヒットするならいいじゃないかと考えることも出来ますが、多様性を失うことは絶滅への道に向かうことです。

新時代「令和」ではこれら問題と向き合って、「解決」とは言わず、時代に合った「適応」を見せて行って貰いたいと思います。今までもテレビゲーム、カードゲーム、スマホ・ネット等と時代で変化する遊びと対峙し、その環境に適応して進化してきました。先に取り上げたその進化を象徴する「ミニ四駆」「ベイブレード」「爆丸」の3大競技玩具が、この「平成→令和」にリアルタイム展開されているのも奇跡的なタイミングです。そしてそれらが皆、現在から登場当初を見れば「クソ」を付けられてもおかしくない状態の玩具から進化発展してきたと言えます。また、当時からすれば大人の世界かほとんどSFとも言えた、ネットや3DCADや3Dプリンターの一般への普及もどんどん進んでいます。メーカー、開発者の方々には、「子供の成長」と言う理念のもと、新しい時代、新しい競技玩具の有り様を模索していって頂きたいと願います。

平成31年(2019年)4月30日

競技玩具研究所
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