ホールドパーツ発射玩具とは

一部の発射玩具では、材料的もしくは機械的な弾性を持った弾性挟持片の間を、 円形断面を持つ物体(球体や円柱状、円盤状のもの)を押し出し部材で推し進め、通過させることで、 挟持片の反発力により円形断面物体を射出する方式が採られています。 しばしば、この弾性挟持片が「ホールドパーツ(HOLD PARTS)」、押し出し部材が「トリガー(TRIGGER)」と呼ばれることから、 ここではこの構造を持つ発射玩具を「ホールドパーツ&トリガー発射玩具」もしくは単に「ホールドパーツ発射玩具」と呼称します。


ホールドパーツ発射行程の概要

1.待機状態:発射体がホールドパーツ内に装填されて、トリガーを押し始める前の状態です。

2.拡張行程:発射体をトリガーを使ってホールドパーツの間に押し込むとホールドパーツは変形をはじめ、発射体を挟み込む力が発生します。この時のホールドパーツが発射体を押し戻す力が発射抵抗となります。

3.臨界状態:発射体をさらに押し進めると、ホールドパーツの変形がピークとなり、発射体の四半円点でホールドパーツに触れ、ホールドパーツが発射体を押し戻す力がゼロとなります。

4.加速行程:さらに少し押し進めると、発射体の円弧とホールドパーツの接触面が作用し、ホールドパーツの挟み込む力が発射体が前に進む力に変換され、発射体が加速を始めます。ホールドパーツの挟み込む力が強いほど発射速度は速くなります。

5.回帰行程:発射の完了した後、次弾装填のためトリガーを待機位置まで戻します。

図.発射の行程

ホールドパーツの構造と分類

ホールドパーツ各部の名称

以降での考察を容易にするために、代表的構造を持った材料的弾性方式ホールドパーツの各機能的部位に対して名称を定めます。 発射体を引っ掛けてはじき出す部分を「クロウ」。クロウから伸び、主として材料的弾性を発揮する部分を「ビーム」。 左右のビームをつなぐ部分を「ブリッジ」とします。また、発射威力を調整することを可能とするために外側へ突出した部分を「カウンターレバー」と呼称します。

クロウは場合によってはビームまでを含んだ呼び方になることもあります。ビームとブリッジは、実際にはどちらも弾性を発揮する可能性がありますが、構造的に境界を見いだせる場合は部位を呼び分けます。 逆に構造的に境界が見いだせない場合は、左右のクロウをつなぐ目的の概念を「ブリッジ」、弾性を発揮する目的の概念を「ビーム」として呼び分けます。 カウンターレバーは、ビームとブリッジの間に設けられるもの以外でも、クロウから直接伸びるものなども含め、発射威力の調整を目的として突出した部位を総称する場合もあります。

クロウの内側のピーク部分を「エッジ」。そこから前側を「アクセル」、後ろ側を「チャージ」とします。 場合によって、アクセルからチャージまでを含んだクロウ内側全体のことをエッジと呼ぶこともあります。 エッジの待機状態と臨界状態の変位を「エッジ厚さ」や「エッジの厚み」と表現します。


図.ホールドパーツ各部名称1

図.ホールドパーツ各部名称2

図.ホールドパーツ各部名称3

ホールドパーツの分類

ホールドパーツを分類する要素の1つとしてエッジとビームの位置関係があります。 ビームの前側にエッジがある場合を「F(Front)式」、ビームの後側にエッジがある場合を「R(Rear)式」、 ビームとエッジが同位置にある場合を「C(Center)式」と呼びます。 一般的に、F式はボディをコンパクトにできる反面、後方の自由度(トリガーやマガジンの配置等)が限られ、 R式はその逆となり、C式は双方の長所を兼ねられますがクロウの配置や弾性の自由度が限られます。

もう1つの分類要素にブリッジの配置があります。 正面から見たブリッジの配置を文字で表して、 後方真後ろにブリッジがあれば「I型」(ちなみに3本爪だと「Y型」4本だと「X型」とも言えます)、 下方向にあれば「U型」、I型とU型を合わせた「D型」、ぐるっと1周したのを「O型」と呼びます。 I型やD型は構造上F式のみで存在でき、U型とO型はFRC全てに対応できます。 また、ブリッジが存在しない「独立型」の概念もあります。

上記の〜式と〜型を合わせることで、そのホールドパーツの構造を表現します。図に代表的なホールドパーツの種類を示します。


図.ホールドパーツの分類

主なホールドパーツ機構

スピニングホールドパーツと変化球

スリークロウズどデルタシステム

ローラホールドパーツ

ブローバックドライブシステム


主なホールドパーツ強化機構

パワーウイング

パワーチップ

キャノンサス

パワーリング

パワーリンクホールドパーツシステム


バーストと散弾

発射体の命中率や単位時間あたりの攻撃力を補う手法として「連射」がありますが、 それとは異なるアプローチとして、 一つの発射口から複数の発射体を一度の発射動作で射出する手法である「バースト」と「散弾」が存在します。

バーストはホールドパーツの後方に複数の発射体を一列に待機にさせ、一度のストロークで発射体をまとめて前に押し出し、 各発射体に順次ホールドパーツの加速を与える手法です。 発射後の発射体各々がホールドパーツの発射力で加速されているため、共通の発射体でも一度の発射動作でより大きな発射質量を得ることができます。 一方で、長いトリガーストロークを必要とし、発射行程間の時間という意味での連射力は劣ります。 また、一度の発射弾群内における発射体の間隔も発射体の待機と加速の時間差から比較的広くなります。

散弾はホールドパーツの前方のバレル内に複数の発射体を整列密着させ、 一発のホールドパーツ発射体によってそれら全てを押し出し発射する手法です。 密着した状態で発射するため一度の発射弾群内の間隔は短く、バーストより密集した発射弾群となるのが特長です。 また、何発まとめて撃っても発射ストロークは1発分で済むので、ホールドパーツ前方の発射体を素早く待機させられればバーストよりも連射力を出せる可能性はあります。 しかし、1発分の発射エネルギーを発射弾群全体に分散させるため、発射速度がかなり遅くなり、前述の前側発射体の待機機構の複雑さも相まって、実用化の例は少ないです。


ホールドパーツ発射力学

発射速度の合成要素

ホールドパーツによる発射での発射速度は、純粋なそのホールドパーツの力以外にも、 様々な要素の合成によって決まります。以下にまとめます。

1.ホールドパーツの加速力 :ホールドパーツの締め付け力をアクセル形状で撃ち出す力に変換した発射速度。 ここでは「しめ撃ち」や「パワーウイング」等で得られた締め付け力も含まれます。 厳密には、「締め付け力」「アクセル形状」「エッジ位置の遷移」の要素にさらに細分化できます。

2.ホールドパーツの摩擦力 :発射時、ホールドパーツと発射体との摩擦力によって発射速度は減速されます。 エッジにローラーを装備するなどすると摩擦が減り弾速は速くなります。 一方ではエッジにラバーを付けてスピンボールを撃つ場合などは摩擦が大きくなるためより減速されます。

3.発射体のエッジ侵入速度 :ホールドパーツの加速前段階での発射体のエッジ侵入速度が速いほど、 その速度は足し算され発射速度が増速します。 いわゆるインパクトトリガーはこの要素を強化することで発射速度を上げているわけです。 スピードトリガーも入力速度が同じだと出力速度が速くなるためこの要素を強化できます。

4.ホールドパーツ自体の運動速度 :発射時にホールドパーツ自体が前後へ運動すれば、その速度分が発射速度に増減されます。 いわゆるブーストマグナムで発射速度が上がるのはこのためですし、 ホールドパーツが後退しながら発射する機構はホールドパーツ本来の発射能力より減速しています。

5.トリガーによる追押し力 :ホールドパーツによって加速中あるいは加速後の発射体を、トリガーでさらに押し続けることで、 ホールドパーツ単体の発射力よりさらに加速されます。 多くな場合、トリガーストロークの臨界に対する余裕として 3のエッジ侵入速度からセットで影響しますが、この要素単体で強化することもできます。


図.発射速度の合成要素

アクセル形状による加速力の変化

ホールドパーツ変形でのエッジ位置遷移による加速力の変化

チャージ形状による発射負荷の変化


トリガー機構の概念

発射におけるトリガーの存在は、発射抵抗や連射速度の観点はもとより、 前述のように発射体侵入速度やトリガー追押し力のように発射威力においても重要となります。 その一方で、発射に理想的なトリガーの動作に対して、人が動かしやすいトリガーの動作は必ずしも一致するものではありません。 そのため、人体が理想とする入力(インストローク)を、何らかの機械要素で変換し、 ホールドパーツによる発射に理想となる出力(アウトストローク)を得る思想が トリガー機構またはギミックトリガーです。

一般的な構造として、人が動かすパーツの「イントリガー」、 発射体を押し出すパーツの「アウトトリガー」、、 およびその間で力を変換する機構(メカニズム)が存在し、 それらを「トリガーボディ」でひとまとめにしたものが「トリガーユニット」となります。 トリガーボディが単一パーツの場合はトリガーボディをトリガーベースと呼ぶ場合もあります。


図.トリガー機構の概念

主なトリガー機構

パワートリガーとスピードトリガー

インパクトトリガー

バーティカルショットシステム

スマッシュトリガー

ロータリードライブシステム

クイックストローク

プルトリガー

ギガバーストシステム

ショートストロークシステム

連射の高速化において、トリガーストロークを短くすることは命題であり、 それを極力シンプルな構造で効果的に行おうとしたのがショートストロークシステムです。 スーパービーダマンの「135 スプレッドワイバーン」をパーフェクトモードにする 「P-73 ショートストロークシステム」 (ともに1999年12月発売)や、その進化系である「152 フラッシュワイバーン」 (2000年12月発売)、 バトルビーダマン「99 剛大牙(ゴウタイガー)」(2005年4月発売)などに採用されています。 もっぱらガンマスタイル片手撃ちでの運用を想定されています。

ショートストロークシステムの構造は、ホールドパーツと一体化した小ウイングがプルトリガーとなり、 プルトリガーとプッシュトリガーが筐体に軸固定されたギヤで連動することで、 ホールドパーツが後退しながらプッシュトリガーが前進して発射に至ります。 発射に必要なストロークを1とすると、この構造ではプッシュ・プル各トリガーのストロークはそれぞれ0.5となり、 絶対的なストロークを極端に短くすることになります。


図.ショートストロークシステムの構造

一方でプルトリガーにかかった人差し指側から見れば、 プッシュトリガーの親指側のストロークは相対的に1のままであり、 実質のストロークも連射スピードも変わらないのでは?という見方もできます。 しかしこれには片手撃ちにおける手の動きが人間工学的に関わってきます。

通常の片手撃ちでは人差し指・中指の位置を固定し、親指のみでトリガー1ストロークを操作します。 対してショートストロークシステムでの片手撃ちは、固定した手のひらに対して、 人差し指中指側と親指側をそれぞれ動かします。 それぞれのストロークは0.5であり、それを同時に動かす場合、 指を動かす速さが通常と同じと仮定すれば、発射に必要な時間も0.5となるのです。

そしてこの時仮定した「指を動かす速さが通常と同じ」について、 指を動かす速さは指にかかる負荷によって決まります。 ショートストロークシステムの場合、ホールドパーツとトリガーの動きだけに相対的に着目すると、 変速等の要素は特に関わっていません。 これは通常のホールドパーツとトリガーの関係と同じ、 つまり同じ負荷と見なすことができ、指を動かす速さは通常と同じと見なせます。 よって、やはりショートストロークシステムのストロークは短いし、発射動作は速くなると考える事が出来るのです。


図.ショートストロークシステムの相対と絶対

もう1つ、ショートストロークシステムには連射速度を上げるための要素が付随しています。 それは回帰行程での次弾待機の速さです。

通常構造での回帰行程では、発射後のトリガーに次弾が乗っている状態になり、 このトリガーが待機位置まで戻ってから、次弾が落下し始め、待機状態となります。 つまり回帰行程にはトリガー1ストローク分の戻る時間と次弾が落下する時間が必要になるのです。 対してショートストロークシステムでの回帰行程では、ホールドパーツとトリガーが0.5ずつ動くと、 次弾の落下が始まります。つまり0.5ストロークの時間と次弾の落下時間のみで待機状態になり、 通常より0.5ストローク分速く待機状態になるのです。


図.ショートストロークシステムの構造

以上のことから、ショートストロークシステムは、 「発射行程を短くする連射機構」と「回帰行程を短くする連射機構」を同時に、 かつ極力シンプルで合理的な構造で実現しているシステムと言えます。

しかし欠点もあり、ホールドパーツを後退させながら発射することは、 発射速度がホールドパーツの能力より下回ってしまいます。 これに対処するためにホールドパーツ自体の発射威力を上げようとすると、 発射抵抗が増大し、結果連射スピードが低下してしまうジレンマに陥ってしまいます。 連射システム全般にも言えることですが、 ローラーホールド等発射抵抗を極力減らしたホールドパーツでの運用が望ましいです。

また、片手撃ちで、人差し指、中指、親指を動かすことからブレが発生しやすい問題もありますが、 これに関しては薬指小指を使って固定する「グリップウイング」で劇的に改善されます。 ガンマ持ちにしろ、ビリー持ちにしろ、片手撃ちの安定性には、大なり小なりグリップは必須と言えそうです。

そして勿論、ホールドパーツ一体化の機構であることから互換性の自由度にも難点があります。 こればかりは構造上どうにもならないことではあります。 しかしながら、ショートストロークシステムを「発射行程を短くする機構」と 「回帰行程を短くする機構」とを合わせ持った機構と考えたとき、 それぞれを独立した機構として取り出すことで、不完全ながらも互換性を持たせることも可能になります。 ここでは前者を「ショートストロークトリガー」、後者を「ショートストロークホールド」と呼称します。 各々を独立した機構とすることでホールドパーツとトリガーの互換システムに組み込むことができ、 自由度の高い運用が可能になります。逆に、この二つを組み合わせてシンプル化したものが ショートストロークシステムであると考えることが出来ます。 それぞれの機構の詳細についてはいずれ別項で触れたいと思います。(2021/04/04)

スピーダーシステムとブーストマグナム


トリガー機構の発展

ショートストロークトリガー

ショートストロークシステムの入力要素(プッシュ0.5とプル0.5の同時入力)のみを取り出し、出力は通常のプッシュ1を得ることで、連射性とホールドパーツの互換性を両立した機構。遊星式スピードトリガーのプッシュイントリガーに固定ギヤを通してプルトリガーを連動させた構造で、スピードトリガーの負荷をプルトリガーでサポートする仕組みになっています。

参考
DHB機用SST
DHB機用SST2
ゼロ用SST
ゼロ用SST2
▼カートリッジシステム用SST
小型化SST

1.5倍ショートストロークトリガー

ショートストロークトリガーの遊星ギヤをボディではなくプルトリガーに噛ませることで、通常の1.5倍のアウトストロークを得られる機構。

参照

イクスプロージョントリガー

ホールドパーツ発射力学における「トリガー追押し力」を、スプリングを使い効果的に引き出す機構。「イクスプロージョン機構」「イクス機構」「イクストリガー」「二重の極みトリガー」とも呼ばれます。 イントリガーとアウトトリガーの間に設けたスプリングを、発射のための入力を使って押し縮め、臨界時に開放される力をホールドパーツの加速力に追加する仕組みです。 拡張行程の間スプリングを抑えるのにホールドパーツの発射抗力を用いるため、ストッパー等が不要なシンプルな構造で、ホールドパーツの能力を変えることなく発射威力を強化することができます。 発射ストロークにプラスしてスプリングを縮めるためのストロークがさらに必要となるため、全体のストロークが長くなってしまう欠点もありますが、 エッジ通過に必要な入力のピークをストローク全体に分散できるため、発射威力の割に入力最大値が少なく感じる、パワートリガーのような効果も認識されています。 また、発射威力を上げる以外にも、入力時にスプリングに力を貯め臨界時に開放することで、エクリプストリガーでトリガーを戻す等、別の仕事に使うこともできます。 一応、公式からも、「クラッシュビーダマン 014 ワイドキャノン」(2006/01/19発売)で同様の構造が採用され効果を発揮していますが、機能については一切触れられていませんでした。

基本的なイクスプロージョントリガーは、通常のトリガーをイントリガーとし、その先にスプリングで伸縮するアウトトリガーを設けた方式で、「イクスアウトトリガー」とも呼びます。

参考
イクストリガー1号機
短縮型イクストリガー

スピードリンクイクストリガー

スピードトリガーのアウト側にイクス機構を設けつつ、イントリガーも直接発射体を押す機構。拡張行程における発射体の進行速度が入力速度と同じになり、その間に蓄積させたイクス用スプリングを臨界時に開放することで、イクストリガーの発射ストローク問題を解決できます。

参考

パワーリンクイクストリガー

パワートリガーのアウト側で発射体を押し出しつつ、イン側に設けたイクス機構でも発射体を押す機構。入力ストロークはパワートリガーそのままで、イクストリガーのパワートリガー効果も付与されるため、発射力増強とともに発射抵抗軽減にも期待できます。

参考

スピンイクススマッシュ

スマッシュ式のイントリガーと回転式アウトトリガーをスプリングでつないだ機構。アウトトリガーのカム形状面をラバーとすることで、発射体を強力にドライブ回転させることができます。イクス用スプリングはキックスプリングを使うとシンプルにできますが、プッシュやプルタイプのスプリングでも実装可能です。

イクスイントリガー

通常イントリガー側に設ける戻り用スプリングをアウトトリガー側に設けた方式のイクストリガー。イクスの解放時に戻り用スプリングを押し縮めながら加速させるため効率は落ちますが、通常のトリガーのプッシュイン面に簡潔なユニットを増設するだけでイクストリガーとして機能するため簡単な工作でイクストリガーを実装できます。

参考

ツイントリガー連射機構

ロータリードライブシステムのように2つのイントリガーを交互に押すことで高い連射能力を得る思想がツイントリガーです。 しかしながら、単純にトリガーを並列に並べただけでは次弾が待機状態になる前に次のトリガーを動かしてしまい、急ぐほど動作不良を起こしやすく、またそれを回避するためには長い遊びストロークが必要になるなど、あまり効率的ではありません。 ロータリードライブシステムではラチェットホイールと回転式アウトトリガーを用いることで実現しようとしましたが、機構が浮動的になることで入力と発射のタイミングがそろわず、クセの強い機構となっていました。 そのため1プッシュ1発射が確実に動作して、かつ動作の節々で系が止まった時にきちんと次弾を装填するべく様々な機構が検討されています。

ペンデュラムトリガー

発射後そのままの勢いで入力を続け、その力でトリガーを退避回帰させる構造により、人が発射を認識してトリガーを戻すよりも早く次弾を待機状態にする連射機構。すなわち、通常アウトトリガー1往復で1発射なのに対して、この機構では往復各行程で1発射ずつ、1往復で2発射が可能になります。

水平往復連射機構(プロトペンデュラム)

ペンデュラム機構の思想を最初に具現化した機構。バーティカルショットシステムで発射後のトリガーがそのまま通過すれば次弾を装填でき、そこからトリガーを引き戻せば1往復2発射可能になるので、その系を水平にし、固定ギヤで2つのイントリガーと連動させることで、ツイントリガー連射を可能にしています。この水平往復アウトトリガーを円弧運動させることでより発射の効率を良くしたものがペンデュラムトリガーになります。

クランクペンデュラム

ペンデュラムトリガーのアウトトリガーの往復運動をクランクピストンの往復運動に置き換え、アウトトリガーを通常のプッシュアウト式とすることでホールドパーツの互換性を持たせた機構。

エクリプストリガー

「エクリプス」は「イクスプロージョンイントリガークランクリンクペンデュラムシステム(Exprosion-in-trigger Crank-LInk Pendulum System)」 の略。クランクペンデュラムの入力にイクス機構を取り入れることで、発射の前に入力ストロークを蓄え、発射後に開放することで、ペンデュラム系の発射後の抵抗抜けによるブレやロスを低減させる機構。

参考

ブローバックトリガー

発射後、イントリガーとアウトトリガーがズレて、人が発射を認識してイントリガーを戻すより早く、アウトトリガーがスプリングの力で回帰して素早く次弾を待機できる機構。2系統を対称配置してツイントリガー連射が可能になります。

ペンデュラム入力タイプ(ペンデュラムインブローバックトリガー)

イントリガーの退避方式がペンデュラムトリガーになったブローバックトリガー。ペンデュラムトリガーのホールドパーツ互換をクランク方式でなくブローバック方式にしたものとも言えます。

参考

イントリガー退避タイプ(インサイドブローバックトリガー)

イントリガーが可動して力線から退避するタイプのブローバックトリガー。

参考

アウトトリガー退避タイプ(アウトサイドブローバックトリガー)

アウトトリガーが可動して力線からズレるタイプのブローバックトリガー。振り子状のパーツが機能することからこちらも「ペンデュラム」と呼ばれる場合もありますが、混乱回避のため当ページでは「アウトトリガー退避タイプ」とか「アウトサイドブローバック」とかと呼ぶようにします。

参考

ツインドロップトリガー

発射後にアウトトリガーが次弾の重さと自重により発射軸から退避し、人が発射を認識してトリガーを戻すより早く次弾を待機位置にする構造が「ドロップトリガー」です。下段に降りたアウトトリガーは後方に戻る際にカム形状により元の高さへ戻り、発射時は発射体との抗力で落ちないようなっています。このドロップトリガーを左右並列に配置し、プッシュアウト面が干渉しないようにしてツイントリガー化したものが「ツインドロップトリガー」です。

参考

リンクトリガー

スマッシュトリガーのリンク機構を発展させ、ペンデュラムトリガーのシングルイントリガー版のような構造になった往復連射機構。レバー状のイントリガーを往復させると、往と復それぞれの行程で1発ずつ、1往復で2発の発射が可能になります。

参考

プルストライカーホールドシステム

通常1発撃つためにはトリガーが1往復する必要があり、往と復で「2ストローク発射」と考えた場合、ツイントリガーが目指すのは往復それぞれのストロークで発射する「1ストローク発射」といえます。 この1ストローク発射を片手撃ちで実現するための機構を、「ホールドパーツ発射」と、ホールドパーツを使わずスプリングの反発のみで発射を行う「ストライカーショット」とを併用することで実現しようとするのがプルストライカーホールドシステムです。 プルトリガーを引いたときにはホールドパーツが後退してホールドパーツ発射し自重で次弾を装填。この時の人力入力で同時にストライカー用のスプリングも縮めておいて、プルトリガーを戻したときにロックが外れスプリングが解放されて、ホールドパーツがストライカーハンマーとなり、装填されていた2発目を発射する仕組みです。 2発目発射によってホールドパーツが1発目の待機状態と同じ位置に戻っているので、そのまま装填して1発目からの動きを繰り返します。

参考

可動式ホールドパーツの概念

ショートストロークホールド

ブーストホールド

スピーダーホールド

イクスホールド

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